ダイヤモンドは、その高い硬度と熱伝導性の高さ、化学的耐性の強さを持ち合わせています。X線ウインドウとしてもう一つ重要な性質は、核電荷数の少なさです。X線に対するマテリアルの透過度を高めます。
シンクロトロン白色X線ウインドウは、低エネルギーX線の吸収により、高い熱負荷が与えられます。熱伝導性が非常に高いダイヤモンドは、高い負荷にも耐えることができます。これまで一般的に使用されているベリリウムウインドウよりも熱耐性は高く、またベリリウムと違い、ダイヤモンドは無毒無害で、安全上のメリットもあります。
低い X 線エネルギーでも円形シリコンサポートディスクにマウントした薄いダイアモンドメンブレンで高透過係数を得ることができます。これらのメンブレンは 1 ミクロンまで薄くすることができます。有効アパーチャはウインドウが耐えなくてはならない圧力差に依存します。
サイズ | 2 – 20 mm フリー開口 (通常 4-10 mm) |
デザイン | 効率的な水冷却 UHV適合 250 °Cまで加熱可能 カスタムデザイン |
厚さ | 厚さ 20 – 300 µm (UHV compatible) or 1-50 µm for O-ring sealing |
マテリアル | オプティカルグレード CVDダイヤモンド |
表面 | 滑らか加工 ラフネス< 10 nm rms |
形状 | 丸開口または楕円開口 |
ハイパワーの透過X線アノードは、タングステンコーティングされ、金属フレームに固定されたダイヤモンドディスクから成り立っています。高エネルギー電子によるタングステンコーティング層への照射により、点状のX線ソースが生成されます。これは、小さなオブジェクトの高解像度の検査を可能にします。
このアプリケーションではダイアモンドは次の二つの役割を担います:一方はフォーカスゾーンから迅速に熱を取り去る高効率ヒートスプレッダとしての動作、もう一方は X 線に対する透明ウインドウとしての動作です。
従って被験オプジェクトは点 X 線源のきわめて至近に位置させることができ、高分解能高倍率の X 線検査には理想的な条件となります。
サイズ | 6 – 20 mm フリー開口 (通常 10 mm) |
デザイン | 効率的な水冷却 UHV適合 |
厚さ | 100 – 300 µm |
マテリアル | オプティカルグレード CVDダイヤモンド |
表面 | 滑らか加工, ラフネス< 10 nm rms |
形状 | 丸開口または楕円開口 |
従来型のX線用ビームモニターは、X線ビームを分断するため、モニターをX線の中に機械的に動かす装置が必要になります。
これに対してダイヤモンドファイル製のビームモニターは、絶えずX線の中に留まるため、明瞭なモニタリングが可能になります。高い光線耐性、少ない原子数、光学的透過性の高さ、といったダイヤモンドの特性が、この使用にとって重要な役割を演じます。CCDカメラを使って、蛍光の測定をすることができます。これにより、X線の位置、強度、プロファイルを簡単に把握することができます。
タイプ | CVDダイヤモンドファイル製のX線‐蛍光スクリーン |
オプション | 露光するための特定サブミクロン表面凹凸; 高精度なレチクル |
マテリアル | 蛍光量を多くする光学的透過性ダイヤモンド |
厚さ | > 20 µm |
コーティング | 75mmまで |
サイズ | 75mmまで |
形状 | 四角、円状、楕円 |